平成29年5月7日 荒らしが再発したため、匿名編集を制限しました。編集依頼やアカウント作成依頼はburaku[at]protonmail.chまで。

福井県

提供: 同和地区Wiki
移動先: 案内検索

概況

福井県における戸数別被差別部落分布図.jpeg

明治初年若越諸藩の賎民の戸数[1]

穢多 非人
福井 46 130
丸岡 3
鯖江 3
加知山 13(穢多と非人の合計)

穢多非人の存在は、このほかに大野藩・勝山藩・小浜藩で知られていた[1]。「越後の村上藩領の河川水運従事者がワタリ・タイシとして賎視されたことはよく知られているが、このほか越前でもチヤシとよばれる川船業者が差別されていたという」と深井甚三『江戸の旅人たち』196頁にある。詳細は牧野信之助「越前のインナイ・チヤシ・コシロ」(『民族と歴史』6巻3号、1920年)を参照。

福井県の被差別部落の統計[2]

調査年 地区数 戸数 人口
明治初年 不明 嶺北だけで204 2242(穢多1636、非人606)[3]
1907年 20 508 2938[4]
1921年 5 478 2318[5]
1935年 6 559 2892[6]
1942年 - 582 2949[7]
1946年 - - 2892[8]
1958年 6 796 3811[9]
1963年 8 860 地区全体3847、同和関係3627[10]
1967年 9 地区全体937、同和関係758 地区全体4043、同和関係3312[11]
1971年 7 地区全体1469、同和関係880 地区全体5786、同和関係3520[12]
1975年 7 地区全体1063、同和関係944 地区全体3900、同和関係3534[13]
1985年 7 地区全体1063、同和関係944 地区全体3900、同和関係3534[14]
1993年 6 地区全体793、同和関係773 地区全体2692、同和関係2636[15]

明治初年、県下の穢多非人の戸数と人口は、嶺北地方で204戸・772人、嶺南地方で1470人(戸数は不明)であった[3]

福井県は1912年の内務省調査では20ヶ所の被差別部落の存在を認めていたが、1921年の統計では5ヶ所に減っていた。これは、非人部落を除外したためである[16]。県内の穢多部落は7ヶ所、残りの13ヶ所は非人部落と本田豊は主張している[17]

被差別部落

  • 三方郡美浜町南市(旧・耳村) - 県下最大の被差別部落[18]。1984年7月の資料で世帯数は394、 人口は1352人[19]
  • 三方郡美浜町佐柿 - 1984年7月の資料で126世帯、410人[20]。『日本同和新報 1986年11月5日号』(日本同和新報社) にOのイニシャルで登場する小倉地区も佐柿にあり、耳村から改良事業で移転した地区で90戸。
  • 三方郡美浜町金山 - 1984年7月の資料で22世帯、87人[21]
  • 三方郡美浜町木野 - 1986年11月の資料で20戸[22]
  • 大飯郡高浜町西三松 - 1982年当時の資料で戸数80戸以上[23]
  • 小浜市遠敷 - 1982年当時の資料で戸数200戸以上[24]。1984年7月の資料で対象地区は270世帯、940人[25]

その他、福井市や武生市(現・越前市)、敦賀市にも被差別部落がある[26]。福井市の被差別部落は穢多系で戸数は30~40戸ほど、福井県庁の近くの川べりにあるという[27]。敦賀市の被差別部落は三島町にある[28]。本田豊『白山神社と被差別部落』91頁に「福井県敦賀市の部落には弾左衛門が由緒書を送りつけているが、ここでは綴神社を祀っており、白山神社はみあたらない」とあるのは「畷神社」の誤植である。

1975年6月の調査によると、大飯町(現・おおい町)にも被差別部落がある[29]。美浜町のみ3地区あり、他の市町は1地区ずつなので計7地区である[30]。世帯数は約20戸から約270戸まで[31]。県内の被差別部落民の数は計3500人以上にのぼる[32]

文献

全國部落調査(1935年)

福井縣 昭和十年三月現在

150頁

部落所在地 部落名 戸数 人口 主業 副業 生活程度 現在地 備考
敦賀郡 敦賀町 三島 三島十一組 七五 三七〇 日傭、農、工、商 日稼 敦賀市 三島町 山形姓5件。2000年電話帳。
三方郡 耳村 南市 二三〇 一二三〇 農、日稼 藁工品、土工 三方郡 美浜町 南市、河原市 仲島姓4件、仲嶋姓3件、仲嶌姓2件。2000年電話帳。五木ひろしの出身地。同和会系が支配し、一般民と混住[33]。南市から同和対策事業で分出した地区に小倉がある[34]。同和会が強く、戸数は約90[35]。美浜町佐柿44−13にある美浜町役場小倉会館の付近。
〃 南西郷村 金山 久保 一五 八二 農業 出稼 三方郡 美浜町 金山
遠敷郡 遠敷村 遠敷 遠敷第二區 一七一 八五七 農、日稼 藁工品 小浜市 遠敷 幸池姓24件、仲野姓5件。2000年電話帳。全解連が強い[36]
大飯郡 本郷村 本郷 本郷十四區 一八 一〇二 石灰仕上工、農 大飯郡 おおい町 本郷 浜内姓7件、浜田姓12件[37]。2000年電話帳。
〃 靑郷村 西三ッ松 五〇 二五一 大飯郡 高浜町 西三松 丹後街道沿い(東三松)で皮革業・街道警備の仕事に就いていた人々が皮革の臭いを理由に海沿いの西三松へと移され成立した部落[38]。西三松6-21-8に福井県唯一の部落解放同盟支部があり、その隣に川一本隔ててある15戸ほどの非人部落は全戸が一つの苗字であると本田豊は『新版 部落史を歩く 非人系部落の研究』22頁に書いている。この記述は東三松の梅垣姓が該当する。東三松に梅垣姓17件。西三松に浜岸姓4件。濱岸姓1件。2000年電話帳。「この高浜原発と目と鼻の先にあるのが、高浜町西三松部落。前は海、後ろは山にはさまれて、八〇戸あまりの家が建ち並ぶ。ほとんどが民宿を経営している」とも[39]。同地には、以下の姓の民宿、旅館がある。池田、石橋、大角(2戸)、大谷、奥本、河合、高橋、山口(2戸)、山下(2戸)、山本[40]。部落解放同盟福井県連合会委員長の姓も山下。
計六 五五九 二八九二

※作家の水上勉は福井県大飯郡おおい町岡田字小近谷の棺桶職人の息子で、小近谷は乞食谷とも呼ばれていた。被差別部落であるとの説もあるが、『全国部落調査』には記載がない。内務省調査を確認する必要がある。

施設等

隣保館

  • 福井県隣保館連絡協議会 - 福井県小浜市遠敷1-201 小浜市立遠敷会館内

関連団体

  • 部落解放同盟福井県連合会 - 福井県大飯郡高浜町西三松6-21-8 三松センター内[41]
  • 部落解放同盟福井県連合会木野支部 - 福井県三方郡美浜町
  • 部落解放同盟福井県連合会小倉支部 - 福井県三方郡美浜町
  • 部落解放同盟美浜町協
  • 全日本同和会福井県連合会 - 福井県三方郡美浜町南市9-13-3 美浜町文化会館

出典

  1. 1.0 1.1 『福井県史』通史編3「近世一」第二章「藩制の成立」第三節「藩政機構と家臣団」四「農民支配の機構 身分制の特質」
  2. 本田豊『部落史を歩く ルポ東北・北陸の被差別部落』188頁
  3. 3.0 3.1 『新版 部落の歴史と解放運動』、「藩制一覧」
  4. 留岡幸助「特種部落と其人口」(『人道』69号所収、1911年刊。1907年調査)
  5. 1921年から1929年8月までの政府資料から作られた「被圧迫部落概観調査」による。
  6. 中央融和事業協会『全国部落調査』(1936年刊。1935年調査)
  7. 同和奉公会『産業調査報告」(1943年刊。1942年調査)
  8. 厚生省よりGHQ民間情報教育局に提出された報告(『資料・占領期の部落問題』所収、1991年刊)
  9. 厚生省社会局「同和対策要望事項調査」(厚生省『同和行政の手引き』所収、1961年刊行。1958年調査)
  10. 内閣総理大臣官房審議室『全国同和地区実態調査結果』(1968年刊。1963年調査および1967年調査)
  11. 内閣総理大臣官房審議室『全国同和地区実態調査結果』(1968年刊。1963年調査および1967年調査)
  12. 内閣総理大臣官房審議室『全国同和地区調査結果の概要』(1972年刊。1971年調査)
  13. 総理府内閣総理大臣官房同和対策室『全国同和地区調査結果の概要』(1976年刊。1975年調査)
  14. 総務庁地域改善対策室『昭和60年度地域啓発等実態把握―生活実態把握報告書―』(1987年刊。1985年調査)
  15. 総務庁地域改善対策室『平成5年度同和地区実態把握等調査―地区概況調査報告書―(統計表編)』 (1995年刊。1993年調査)
  16. 本田豊『新版 部落史を歩く 非人系部落の研究』16頁
  17. 本田豊『新版 部落史を歩く 非人系部落の研究』18頁
  18. 本田豊『部落史を歩く ルポ東北・北陸の被差別部落』176頁
  19. 山名伸作「福井県と佐賀県の同和地区現地研修記」
  20. 山名伸作「福井県と佐賀県の同和地区現地研修記」
  21. 山名伸作「福井県と佐賀県の同和地区現地研修記」
  22. 『日本同和新報 1986年11月5日号』(日本同和新報社)
  23. 本田豊『部落史を歩く ルポ東北・北陸の被差別部落』177頁
  24. 本田豊『部落史を歩く ルポ東北・北陸の被差別部落』177頁
  25. 山名伸作「福井県と佐賀県の同和地区現地研修記」
  26. 本田豊『部落史を歩く ルポ東北・北陸の被差別部落』189頁
  27. 本田豊『新版 部落史を歩く 非人系部落の研究』18頁
  28. 『部落解放年鑑』1970年版、6頁
  29. 山名伸作「福井県と佐賀県の同和地区現地研修記」
  30. 山名伸作「福井県と佐賀県の同和地区現地研修記」
  31. 山名伸作「福井県と佐賀県の同和地区現地研修記」
  32. 山名伸作「福井県と佐賀県の同和地区現地研修記」
  33. 解放新聞社編『被差別部落 東日本編』177頁
  34. 解放新聞社編『被差別部落 東日本編』162, 177頁
  35. 解放新聞社編『被差別部落 東日本編』177-178頁
  36. 解放新聞社編『被差別部落 東日本編』178頁
  37. 『解放新聞』1973年10月22日2頁によると解放同盟大飯支部の初代支部長は浜田兼栄。
  38. 本田豊『部落史を歩く』(柏書房、1982年)
  39. 『新版 部落史を歩く 非人系部落の研究』(本田豊、亜紀書房、1991)
  40. 『ゼンリン 住宅地図』
  41. 『部落解放年鑑』(部落解放研究所、1973)493頁