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佐賀県

提供: 同和地区(被差別部落)Wiki
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概況

原田伴彦によると、佐賀県には被差別部落が非常に少なく「10戸足らずの部落で人口も1000人に満たない」という[1]。ただしこれはあくまで原田個人の見解である。

一方、1984年7月の資料では、県下の同和地区は11市町村に19地区があり、被差別部落民の数は約1600人とされている[2]。地域的には佐賀市やその近郊など旧鍋島藩領に少なく、唐津市など旧小笠原藩領や東松浦郡に多い傾向にある[3]

川元祥一は佐賀県の部落の数を36地区、最大規模の部落の戸数を228戸、あとは高岸の45戸、その他は数十戸から数戸と記している[4]。唐津市佐志の橋本地区について「江戸時代、橋本の部落は下級警備役として、農民の"隠し田"の摘発をやっていた。そのため、農村に一戸、二戸の部落が配置されていた。少数点在の原因は、このへんにあるだろう」とも川元祥一は述べている[5]。隠し田の摘発役は別名「百姓いじめ」とも呼ばれていた[6]

『ルポルタージュ部落 四国・九州編』282頁によると、佐賀県で番神堂が村の中にあるのは部落だけであり、佐賀県の部落にはほとんど番神堂があるという。そして、佐賀県の部落はほとんど日蓮宗だという。

同書287頁によると、1923年5月の全九州水平社大会に高岸の部落から以下の7名の代表者が出たという。

  • 藤本嘉一(佐賀水平社初代委員長、佐賀市議)
  • 藤本喜作
  • 小林竹一
  • 藤本和三
  • 福島初太郎
  • 藤本太郎
  • 福島豊次

ただし藤本嘉一の出身は高岸ではなく、高岸から50キロ北方の多久地方の部落である[7]

文献

全國部落調査(1935年)

佐賀縣 昭和十年三月現在

326頁

部落所在地 部落名 戸数 人口 主業 副業 生活程度 現在地 備考
佐賀市 上多布施 高岸 三二 一六七 食肉販賣 掃除夫、屠畜業 佐賀市 多布施 3丁目 1969年に上多布施町の一部から多布施が成立。高岸は江戸時代の村名。多布施3丁目が部落であることを、佐賀支部長の小川高次が地図と黒板を使って力説し、『解放新聞』がそれを写真入りで暴露している[8]。小林姓5件、福島姓4件、藤本姓6件。2000年電話帳。
〃 東田代町 江湖端 一八 八五 履物造、俸給生活 日傭其他 佐賀市 今宿町、材木町 1968年まで東田代町は存在。
佐賀郡 本庄村 灰塚 三六 履物造、行商 佐賀市 本庄町本庄 灰塚

327頁

部落所在地 部落名 戸数 人口 主業 副業 生活程度 現在地 備考
佐賀郡 巨勢村 新村 一四 行商、靴工 佐賀市 巨勢町 新村の位置は要調査。
〃 春日村 古賀 三四 農業 佐賀市 大和町大字久池井 大和町大字久池井二本松地内に「佐賀市立春日運動広場」あり。
〃 松梅村 三反田 三九 履物製造 農、漁業 佐賀市 大和町大字松瀬 大和町大字松瀬に「三反田郵便局」あり。
小城郡 小城村 畑田下區 一四 五七 農業、草履作 洋傘、靴修理 小城市 小城町畑田 谷口姓14件。2000年電話帳。
三養基郡 養基村 大野 三三 一四四 農業 日傭行商、牛馬商 鳥栖市 原町 「養基村」は誤記。三養基郡に「基里村」はあった。鳥栖市原町の小字に大野あり。
〃 基山村 宮浦 四五 農業 三養基郡 基山町 宮浦
〃 旭村 儀徳 二一 農業 日傭、修繕業 鳥栖市 儀徳町
唐津市 西濱 五六 三〇六 行商 日傭、竹細工 唐津市 西浜町 福島姓6件。2000年電話帳。
東松浦郡 北波多村 下竹有 三〇 一四九 履物製造 農具職、日傭 唐津市 北波多竹有 下竹有 北波多竹有に河上姓10件。2000年電話帳。
〃 久里村 幸七 三〇 一五八 行商、靴工 唐津市 久里
〃 七山村 瀧川 二〇 一一三 〃、農業 日傭、雑 唐津市 七山滝川
〃 佐志村 橋元 一一五 六一九 履物製造 行商、農、日傭 唐津市 橋本町 浜本姓10件、福島姓2件。2000年電話帳。
西松浦郡 大川村 片竹 一四 六四 行商 牛馬商、農具、農 伊万里市 大川町大川野 片竹 大川町大川野に滝本姓5件、藤本姓7件。2000年電話帳。
杵島郡 武雄町 若宮 二六 一三五 食肉商、屠畜 武雄市 「若宮」の範囲は要調査。武雄市武雄町川良に若宮社がある。関連不明。[9]また、武雄市西川登町高瀬には竹細工の共同作業場があった。
神崎郡 仁比山村 一六 八八 農業 神埼市 神埼町的 神崎郡は神埼郡の誤記。
三養基郡 麓村 三四 鳥栖市 旧麓地区 麓地区に属するのは牛原町、蔵上町、宿町、立石町、原古賀町、平田町、養父町、山浦町、山都町、布津原町、蔵上一丁目~四丁目、桜ケ丘町。
佐賀郡 久保泉村 赤井手 一一 五六 行商、農、日傭 佐賀市 久保泉町川久保 赤井手

328頁

部落所在地 部落名 戸数 人口 主業 副業 生活程度 現在地 備考
計一九 二〇 四五四 二三六六

被差別部落

  • 唐津市 - 1984年7月の資料では3地区ある(当時まだ北波多村や相知町は唐津市ではなかったことに要注意)[10]。A地区は250世帯800人[11]とも、約220戸650人ともいわれ、県下最大の被差別部落である[12]。市街地の西のはずれにあるB地区(八幡町?)は約30戸[13]。市の中心部にあるC地区(栄町?)は20戸足らずである[14]
  • 佐賀市 - 4地区ある[15]。1980年の調査では73戸224人[16]
  • 伊万里市 - 50世帯[17]
  • 北波多村(現・唐津市) - 唐津市北波多田中字千草野と唐津市北波多岸山字井川谷に改良住宅あり。47戸[18]

施設等

隣保館の場所

改良住宅

  • 岸山改良住宅 - 唐津市北波多岸山498番地27
  • 立園改良住宅 - 唐津市北波多田中1458番地29
  • 新屋敷改良住宅 - 唐津市厳木町岩屋530-19(2003年から2007年に建てられたもので同和住宅かどうかは要調査)
  • 佐賀県佐賀市多布施3丁目13-13近辺(天祐寺の墓地の裏)にある集合住宅群も改良住宅である[19]

教育集会所・同和対策集会所

  • 佐賀市立同和教育集会所 - 佐賀市神園四丁目1番11号
  • 佐賀市立田代ふれあいセンター - 佐賀市田代二丁目9番34号
  • 佐賀市立大和教育集会所 - 佐賀市大和町大字池上1745番地
  • 佐賀市立久保田教育集会所 - 佐賀市久保田町大字久保田389番地
  • 唐津市唐津同和教育集会所 - 唐津市二タ子三丁目7番23号
  • 唐津市相知同和教育集会所 - 唐津市相知町大字伊岐佐甲774番地2
  • 人権ふれあいセンター唐津 - 唐津市八幡町623番地
  • 人権ふれあいセンター相知 - 唐津市相知町伊岐佐甲54番地3
  • 人権ふれあいセンター北波多 - 唐津市北波多竹有2789番地3
  • 伊万里市立同和教育集会所 - 伊万里市立花町1542番地29
  • 鹿島市立教育集会所 - 鹿島市大字高津原3307番地2
  • 鹿島市立同和教育集会所 - 鹿島市大字高津原3354番地
  • 多久市立鳥居原教育集会所 - 多久市北多久町大字小侍1882番地1
  • 多久市立同和教育集会所 - 多久市北多久町大字多久原7026番地28
  • 鳥栖市同和教育集会所 - 鳥栖市元町1228番地2
  • 小城市下畑田教育集会所 - 小城市小城町畑田634番地

関連団体

  • 部落解放同盟佐賀県連合会事務所 - 佐賀県唐津市栄町2588-11 佐賀県解放会館 2F
  • 部落解放同盟佐賀支部 - 佐賀県佐賀市多布施3-16-15
  • 部落解放同盟唐津支部 - 佐賀県唐津市八幡町623
  • 部落解放同盟事務所 - 佐賀県唐津市栄町2588-11
  • 部落解放同盟相知支部(人権ふれあいセンター相知) - 佐賀県唐津市相知町伊岐佐54-3
  • 部落解放同盟伊万里支部
  • 部落解放同盟多久支部
  • 部落解放同盟北波多支部
  • 自由同和会佐賀県本部 - 佐賀県佐賀市天神2-2-28 松尾天神ビル902
  • 全日本同和会佐賀県連合会 - 佐賀県佐賀市成章町7-29
  • 全日本同和会佐賀県連合会会長宅 - 佐賀県佐賀市鍋島町大字蛎久RC9-928
  • 全日本同和会佐賀支部 - 佐賀県佐賀市神園4-1-11
  • 全日本同和会相知支部 - 佐賀県唐津市相知町伊岐佐774-2
  • 全日本同和会多久支部 - 佐賀県多久市北多久町大字多久原7026-28
  • 全日本同和会鹿島支部 - 佐賀県鹿島市高津原高津原3354
  • 全日本同和会佐賀県連合会伊万里支部 - 佐賀県伊万里市立花町1542-29
  • 全日本同和会唐津支部 - 佐賀県唐津市二タ子3-7-23
唐津民報255号(2015/10/18)
平成26年度決算特別委員会審査
突出する同和関連予算
-市民の人権が尊重される社会へ-
平成26度決算特別委員会で、人権啓発予算が、同和予算に多くが使われていることが明らかになりました。
日本共産党は、人権は最も尊重されるべき事だと考えます。
しかし、唐津市の人権啓発予算は、「同和事業にあまりにも特化」したものとなっており、早急な改善をおこない、全ての市民の人権が尊重される社会への予算に改めなければならないと考えています。
10世帯を3人で対応
全日本同和会相知支部は、10世帯18人で構成されています。
市は、同和集会所に2人の事務員と一人の支部長を配置し、運営費人件費あわせて約1000万円の予算を使っています。(支部長には月2万円の車の借り上げ料を支給)
全日本同和会唐津支部(36世帯62人)への補助金として約1000万円が使われています。
年間1億1018万円
同じように、部落解放同盟唐津支部(177世帯・366人)への補助金は約2000万円が毎年使われています。
加えて、「人権ふれあいセンター」運営費として約2760万円が予算が使われています。その外にも約2700万円が人権・同和対策費として使われています。
平成26年度決算でも1億1018万円にも及び、そのほとんどは、一般財源で賄われています。

出典

  1. 『東北・北越被差別部落史研究』363頁
  2. 山名伸作「福井県と佐賀県の同和地区現地研修記」
  3. 山名伸作「福井県と佐賀県の同和地区現地研修記」
  4. 『ルポルタージュ部落 四国・九州編』287頁
  5. 『解放新聞』1985年11月18日付、川元祥一「佐賀県の部落で 終」
  6. 『解放新聞』1985年11月18日付、川元祥一「佐賀県の部落で 終」
  7. 『ルポルタージュ部落 四国・九州編』287頁
  8. 『解放新聞』1985年10月7日付、川元祥一「佐賀県の部落で 2」
  9. http://www1.saga-s.co.jp/news/saga.0.2273258.article.html
  10. 山名伸作「福井県と佐賀県の同和地区現地研修記」
  11. 山名伸作「福井県と佐賀県の同和地区現地研修記」
  12. 山名伸作「福井県と佐賀県の同和地区現地研修記」
  13. 山名伸作「福井県と佐賀県の同和地区現地研修記」
  14. 山名伸作「福井県と佐賀県の同和地区現地研修記」
  15. 山名伸作「福井県と佐賀県の同和地区現地研修記」
  16. 山名伸作「福井県と佐賀県の同和地区現地研修記」
  17. 山名伸作「福井県と佐賀県の同和地区現地研修記」
  18. 山名伸作「福井県と佐賀県の同和地区現地研修記」
  19. 『解放新聞』1985年10月7日付、川元祥一「佐賀県の部落で 2」